「よし、とりあえずカット終わったから、シャンプーして乾かしてから最後にもう一回整えるな。お疲れ。」






鏡に映る莉紗は胸の下まであった長さが10センチ程短くなり、鋤いて少し軽い印象になった。






「お前はあんまり短くない方が似合うと思ったんだけど。どう？もっと変えた方がいいか？」






不安そうに聞く翔太。
莉紗は首を横に振って笑顔で答えた。





「このままで！翔太が切ってくれたなんてすごい、嬉しい。」




翔太は少し照れながら笑顔を返した。








シャンプーとトリートメントをしてもらい、乾かして最後の仕上げ。





「はい、これで終わり。大丈夫か？」





鏡に映る自分に自然と笑顔になる。





「うん！大満足だよ。せっかくかわいくしてもらったのに、このまま帰るのもったいないなぁ。」






莉紗の呟きを拾うように、翔太は返した。





「飯行くか？今日のお礼。」




「わーい！行く行くっ。」






子供のようにはしゃぐ莉紗を見て、翔太は自分の中の想いに次第に気付かされるようになる。