一時間後、お父さんのケータイに一本の電話がかかってきた。







「もしもし。……わかった、迎えに行くから…うん…また後でな。」






「涼くん?」






母がにこやかに尋ねた。
おそらく何度か会ったことがあるのだろう。






「今から連れてくるよ。」








お父さんは一度アパートを出ると、数分後にすぐ戻ってきた。
すぐ隣に息子を連れて。