20秒程コールしたところで繋がった。
男の人の声。





『…はい。』



「えっと、そのケータイの持ち主なんですけど…」



『酔いは覚めた?』




えっ?……もしかして……



「さっき助けてくれた…?」



『そうだよ。タクシー行った後にケータイ落ちてたんだけど間に合わなくて。』



「すみません…」




でも変な人に拾われてなくてよかった。




『今から返しに行こうか?』



しかしもう深夜。
軽く頭痛もする。
この人なら、なんとなく信頼できる気がした。



「できれば明日の朝とか…お願いできますか?」



こちらの都合で申し訳ないけれど……



『俺出勤が早いから、7時頃でもいい?』




「はい!お願いします。」




莉紗は明日は休日なので、時間はいくらでも合わせられる。
そして二人は翌日また再会することになった。