ピンポーンーーー





合鍵はあるものの、一応インターホンを押してみた。






「莉紗。おかえり。」




「お兄ちゃん。もう帰ってたんだね。」




優しい笑顔に迎えられて一安心。




「私、お酒臭かったらごめん……」




「何?莉紗が酒なんて珍しいな。結構顔赤いけど、飲み過ぎには気を付けろよ?」




頬に手を添えられると、お酒の力以上に赤くなってしまいそう。
5年も一緒にいても、涼に触れられるのは未だにドキドキしてしまう。








そういえばケータイ!
誰かの手に渡っているだろうか。




「お兄ちゃん、ちょっとケータイ貸して?」





自分の番号にかけてみた。
誰か出るかな……