「時間ねぇんだろ?

早く行けよ」


彼はそう言って黒板を拭き始めた。



その日から

高村くんは私の特別な人に変わった。


今日は話せるかなってドキドキしたり。

彼に何かしてあげたいと思ったり


それは、私の初めての感情だった。

いつかその気持ちを伝えたい。


そう強く思うようになった頃に

チャンスはやって来た。



”9月の遠足の時、

キャンプファイヤー中に

手紙で告白すると成功するんだって”


クラス内で流れたウワサ。