気にしない。そんなの気にしない。

そうやって黒板を拭き続けていると


「やめねぇの?」

彼にそう聞かれた。


「もう引き受けちゃったから、やめない」


私は振り向くことなく、黒板を拭き続けた。


だって今振り向いたら泣いてしまいそうだったから。



裏切られたこと、このまま知らなければ良かった。

いっそ騙されたままにしてくれれば良かったのに


そう思っていると


「貸せよ。」


彼は私の隣に来て、雑巾を取り上げる。


「え……。」


「俺がやる。」


「いいって……!」


申し訳ないから取り返そうとするけど、