「なぁ、仁菜」


お前の気持ちが聞けて良かった。

お前が強いヤツで良かった。


お前が

俺のこと好きでいてくれて良かった。


「もし、仁菜がいいって言うなら

転校しても俺の彼女でいて下さい」


俺の胸の中でぎゅっと顔をうずめる仕草が強くなる。

そして、顔をあげたかと思ったら

仁菜は涙で濡れた顔で言った。


「……ったり前でしょ」


今度は零れる涙を手でぬぐう。


「好きだ」


仁菜の表情を見ていると、

すごく愛しくなった。



涙で濡れた顔。

晴れた目。