「ここまで来る時ね~
すごい考えながら歩いちゃった。
私の家から学校の最寄駅、
それで高村の家。
こんなに遠いのに、毎日送ってくれて
でもそのクセかばんは私に持たせるの。
パシリに使うからだって理由をつけるため。
他にも色々考えたら
たくさん出てきちゃった。
強引だけど、優しいところ。
俺様なクセに照れ屋なところ。
この道を歩いてる間だけで
たーくさん出てきちゃったんだよ……っ。」
「仁菜……」
仁菜は流れでそうになる涙を必死でこらえていた。
「忘れられると……、思う?
こんなに思い出がたくさんあって、
こんなに好きな所がある」