ーー
ーーー。


そして


ピーンポーンー。


俺は玄関のチャイムが鳴る音で目が覚めた。


「隼人、友達が来てるみたいだぞ」


親父の声で、気だるげな体を起こし玄関のドアを開けると

ドアの前にたっていたのは


「お前……っ」


私服姿の仁菜だった。

一度家に帰ってここに来たんだろう。


「来ちゃった」

そうやって言って切な気に笑う仁菜の目は

少し腫れていた。


泣いたのか……。

やっぱりこうやって泣かせてしまうんだ。


だったら俺のこと、忘れてくれた方がいいだろ……。


「あのさ……」


そうやって言おうとした時、仁菜は言った。