「そうだな。

近くにいる時よりも愛は伝えずれーし

寂しい思いはさせるだろーな


だからこれ以上は俺からは言えない。


ただ、仁菜ちゃんの気持ちを聞かずに

離れていくのは、

絶対にお互い辛い思いをする」


そう言って井上はドアに向かって歩きだす。

数歩あるいて、立ち止ったと思ったら

井上は振り返って言った。


「カッコつけて、一人で抱え込んでんじゃねぇーよ

バーカ！！」


バタンと閉まってくドア。


本当、俺

何を見てたんだろう……。


自分には、ちゃんと頼れるダチがいたのにな。