いつもより少し強めに彼の肩を叩いて 「高村っ」 呼び掛けると、彼の手から何かがスルりと落ちた。 「ごめん、ごめん ちょっと強く叩きすぎ……」 ーっ!! 私は落ちた紙を拾おうと、すくった瞬間 見えた文字に言葉を失った。 【転校届け】 「何……これ……」 震える声で彼に尋ねる。 すると彼は私から目を逸らして 「ごめん」 ポツリとつぶやいた。