「…………もう、行くぞ」



素っ気なく言って立ち上がる高村


どうしよう、このままじゃ

不機嫌なまま終わっちゃうよ……っ


焦った私は、高村の手を引くと


恥ずかしさを抑え、小さな声で言った。


「は……、やと。」


声に出すと、ぶわっと恥ずかしさがやってくる。


何これ、すごい恥ずかしい。


言ってしまえば大丈夫だと思ったけれど

顔がさっき以上に赤くなって

高村も振り返ってくれないし


なんだか泣きそうになる。


「ねぇ、何か言ってよ……」


恥ずかさに耐えられなくなって

そう言うと、高村は顔をこっちに向けた。