「バレないと思ったんだ?」


私の事、もう忘れていると思ってたのに


黙っていればそのまま気付かれないと思っていたのに



「バカだね。」


このまま、じゃマズイ。

ここから逃げなければ危険だ。

そう思った私は教室の鍵を開けて出ようとした。


その時ー


「3年前のこと忘れてねぇよな?

パシリの仁菜ちゃん」


高村はささやいた。


止まる手。止まる足。
そして、嫌な予感。

その言葉の意味を私は知っている。


「俺に告白した事、バラされたくなかったら

言うこと聞けよ。」


「…………っ。」