「でもさ、初めて見たよ

高村があんなに必死になっている所」



「うん……」


本当はいい人なんだって知ってる。

じゃなきゃ私は一度彼の事を好きになったりしないから。


あんなんだけど、根はいい人。

だから今回もああやって助けてくれたんだと思う。


私はそんな複雑な感情を抱えながら、バスに乗り込んだ。



そして次の日ー。



「右腕ねんざだってよ。

どうしてくれんだよ」


「はい……ホントすいません。」


私は朝から高村に呼び出されて、

必死で謝っていた。