な、なんで……。 どうして。 「高村、しっかりして」 彼は目をつぶって横たわっている。 「いや、ねぇ起きて!!」 必死に揺さぶるけれど、高村は目を開けることはなかった。 どうしよう、私のせいだ。 私なんかを守ったから、 私をかばったから、高村は自分が代わりに痛みを受けたんだ。 「いやだ、お願い起きて」 目に涙を浮かべながら必死でそういうと、 彼は力ない声で言った。 「うるせぇよ……」