ボストンバック一つに今日は仕事が休みなのか私服だった。シフォンブラウスにパンツスタイル。
本当に絵に描いたような完璧な女性だと、麻衣はしばし見つめながら距離を詰めた。
「ごめんね、私の見送りなんて。折角のお休みだったのに…」
莉奈は申し訳なさそうに何度も頭を下げたから、麻衣も頭を下げた。
「いや私…莉奈さんと色々話せて良かったです」
「そんな…逆に色々聞いてもらったのは私の方だよ。ほんとにありがとう」
莉奈はニコッと笑顔で“久しぶり”と言うと、龍之介は大して愛想良いわけでもなく、黙って軽く会釈した。
「カイトからは…連絡ありましたか?」
「ううん。まぁ、別に話すこともないみたいだし、これ以上ひつこくしても鬱陶しいだけだし。私からはもう連絡しない。会いに来たりしないわ」
「でも…」
「いいんだ。仕事のついでに東京観光できたし。麻衣ちゃんとも出会えたし」
強がってることなんて顔見たら明らかで、寂しそうに東京の景色を見上げる莉奈に黙ってることなんて到底ムリだ。
私が好きになりかけてた人…
ううん、好きだった彼の
大切な人なんだから
「私やっぱり納得できな…」
そう言いかけたときだった。
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本当に絵に描いたような完璧な女性だと、麻衣はしばし見つめながら距離を詰めた。
「ごめんね、私の見送りなんて。折角のお休みだったのに…」
莉奈は申し訳なさそうに何度も頭を下げたから、麻衣も頭を下げた。
「いや私…莉奈さんと色々話せて良かったです」
「そんな…逆に色々聞いてもらったのは私の方だよ。ほんとにありがとう」
莉奈はニコッと笑顔で“久しぶり”と言うと、龍之介は大して愛想良いわけでもなく、黙って軽く会釈した。
「カイトからは…連絡ありましたか?」
「ううん。まぁ、別に話すこともないみたいだし、これ以上ひつこくしても鬱陶しいだけだし。私からはもう連絡しない。会いに来たりしないわ」
「でも…」
「いいんだ。仕事のついでに東京観光できたし。麻衣ちゃんとも出会えたし」
強がってることなんて顔見たら明らかで、寂しそうに東京の景色を見上げる莉奈に黙ってることなんて到底ムリだ。
私が好きになりかけてた人…
ううん、好きだった彼の
大切な人なんだから
「私やっぱり納得できな…」
そう言いかけたときだった。
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