「なんだよりゅうちゃん、そっけな~。あいつも行きたかったのかな?」

「そんなことないよ…単にノリ悪いだけだってきっと」

「…ヤキモチだったりして」

「はぁ?ヤキモチ?」
私は苦笑しながらカイトの言葉に答えたけど、そのあとに「うん。麻衣ちゃん取られたから」とかマジな顔で言うから。


「…適当なこと言わないでっ。今日はありがとね!じゃあまたね!カイト」

そう目を合わせずカイトに手を振ると、部屋に入った。





数日後、私達3人は3階の大家さんちにいた。訳も分からず召集され、何事かと構えていたら大家のおばさんは物置からほうきやら色々掃除道具を出した。



「はい、これ!月一回、住人総出で掃除する日よ!」
突然の指令。もちろん聞いてない。誰も初耳だ。今日は香織と買い物に行く予定を立てているのに。


「えーっ!聞いてないっすよ!俺今日、仕事あるんすけど!」
カイトは寝起きで呼ばれたかのような豪快な寝癖を立てている。大口開けてあくびして、なんか犬みたい。

可愛いな…



「だってあんたら三人、毎日あっちらほっちら出掛けてて捕まらないんだもん!あんた達だけ掃除なしなんて、他の階の人達が面白くないじゃない!ほら、さっさとやる!」

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