段ボール二箱抱えて、ひょいと顔を出したのは紛れもなくカイトだった。



「た、ただいまりゅうちゃんっ…ちょっ、これ一個持って」


言われるがままに龍之介はカイトの顔の前に積みあがる段ボールを持ち上げた。



「ふ~っサンキュー!助かった。お土産買いすぎて配達頼んだら下でばったり会っちゃって。最近はえーんだなぁ届くの!」


「買いすぎだろ…重いから早く部屋開けろ」


段ボールをカイトの部屋まで運ぶと、カイトは深々と龍之介に頭を下げた。



「すいません!色々と…ありがとうございました!!」

「な、なんだよ急に」

「いや、りゅうちゃんにはお礼とか言えてなかったからさ。まぁ細かいとこは端折って、ひとまずありがとう」


「勝手に端折るなよ;」


「りゅうちゃん…これから仕事?」

「あぁ、そうだよ夜中まで。明日もだし。カイトは?」

「俺は今日までお休みっ。そっかぁ~今日はイヴに、明日はクリスマスだもんな。お洒落BARは忙しいか」

「そうゆうことだ。折角帰ってきたのにあれだけど端折った話は今度聞かせろよ」


「仕方ない、今日麻衣ちゃんとケーキ食べながら話すかなぁ~」


カイトは残念そうな表情で龍之介をみた。
手に持った鍵がチャリン、と鳴った。





「……カイト」

「ん?」



「俺、いまあいつと付き合ってる」


「……まじ?」


真剣な龍之介の言葉に、カイトは驚いた顔を見せると壁にもたれた。



「すげぇ急展開だな、それ…」


「正直、あいつは俺のこと100パーセント好きかどうか分からない。けど、あいつが“嫌だ”だって言わない限り…」


「…………」



「あいつは俺の彼女、だから」





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