「それで、本当に何の用事でこんな朝早くに学校に行くわけ?」
望が後ろを歩くあたしをちらっと見ながら言った。
「そ、それは、その…」
ああ、もうどうしよう。
言い訳なんて何も考えてなかったよ~!!
「な、内緒」
上目使いに望を見て、可愛い女の子を意識して小首を傾げる。
そんなあたしを見て、望ははあ~と息をついた。
「ちょっと、ため息つかなくても!そりゃ、あたしが可愛い女の子ぶったって似合わないのはわかってるけど!!」
望の真横まで行って、ギャンギャン吠えた。
こういう態度が可愛くないってわかってるけど、望とは家が隣で、物ごころつく前から一緒にいるんだもん。
今さら取り繕ってられないよね。
「なんか知らないけど言いたくないんだろ。危ないことはするなよ」
「そんなことしないもん」