「お、お母さん!」
ビックリして振り返ると、すぐ後ろに、不審な顔をした母親が立っていた。
「あんた、だいぶ前に家を出たのに、まだこんなところにいるの?」
「それは…」
「そもそも、いつも遅刻ぎりぎりの真央がこんな朝早くに何の用事があるの」
「え、えーと…」
お母さんからの追及に、あたしはたじたじになって、無意識に後ろに下がった。
しかし、後ろも安全地帯ではなかったのだ!
「俺も教えてほしいなあ。今日はどうしたの?」
後ろから男の声がして、ひええっと焦りながら、後ろを確認する。
声で予測はついていたけど、そこには望がにっこりと笑って立っていた。