季節が変わって、春になった。


桜も咲き始め、気分の良い季節になった。


その日俺は、玲奈らと遊ぶ約束をしていた。


集合場所には綾香も祥太郎も来て、残すは玲奈だけとなっている。


「玲奈、今日遅くね?
いつもは俺より早く来てるぜ。」


祥太郎の言う通りだ。


玲奈は普段は俺と同じぐらいに着くのに、今日はまだ来ない。


「遅いって言っても、まだ時間来てないしいいんじゃない?」


「だな。
玲奈は遅刻だけは絶対にしねえし。」


俺がそう言い終えた時である。


「お待たせ!」


後ろから声が聞こえて、振り返った時の衝撃を俺は死んでも忘れないだろう。


玲奈の後ろに、小学生と思われる女の子がいた。


まさかと思ったが、それは現実に起きた。


「ちょっと色々あって、妃奈も連れてきちゃった。」


さも当たり前のように言う玲奈と、申し訳なさそうに俺らを見上げている妃奈ちゃん。


顔はまあまあ似てるのに、他人同士に見えた。