バッシュが奏でる高い音、弾ける汗、テンポ良くボールが弾む音。

試合は血が騒ぐ。

チーム内の紅白戦でも、勝ち負けがかかれば、選手は活き活きとするんだ。

練習でもたくさんの生徒たちの歓声が鳴り響いている。

これだから、男子バスケ部のマネージャーはやめられない。

「がんばれー!! あと一分だよー!」

ベンチから大声で叫ぶ。

同点で迎えるハラハラのラスト。

その時相手のゴール下にいる神谷くんへ、弾丸パスが通った。

しっかりと受け取った神谷くんが、完璧なフォームでジャンプする。

ああ、これで勝負ありだ……。

だけどその瞬間、観客たちの声援が一気に騒がしくなった。