君はこんな塔の中で幽閉されて終わっていい人間じゃない。

僕は常々そう思っていた。

天性の才とでもいうのだろうか?

君には、やはり“王”としての器があって、

それを上回るだけの努力を積み重ねた君は、

この狭い塔の中にいても“世界”について考えられるようになっていた。

君のどこが災いを呼ぶというのだろう?

どうして君みたいな人物がただ双子として生まれてきただけでこんなところにいなければならないのだろう。

ここから君を出してあげたい。

もっと広い世界を見せてあげたい。

君がそれを望むなら、僕はどんな罪を犯したって構わなかった。

だけど、僕は愚かだった。

『私はこのままでも十分幸せです』

君のその言葉の意味を、僕は理解していなかった。

君の気持ちも。

僕は……。