「ん?初めてこういった親睦会やってさ、すげぇ楽しかったんだよ。
いい仲間、部下に恵まれてるなって改めて思った。
後。…お前のおかげで俺のイメージがかなり変わっただろ?

そのお礼も兼ねて、だ。」



立ち止まり振り向くと、顔を上げ真っ直ぐに俺を見ていた池永と目が合った。


「無礼講でみんな結構課長に失礼な発言していたのに…課長が全額払うなんて納得出来ません。」



真面目だなぁ。



「いいんだって。…あ、納得出来ないならさ、来週一週間俺に弁当作ってきてよ。社食がヘビー過ぎて胃に負担がかかるんだよな。」


一方的なのが嫌なら取り引き。
どうだろう。

下心がないと言えば嘘になるかもしれない。


考えたらこの頃から俺は池永に何か特別な感情を持っていたのかもしれない。



「じゃあ、そうします。」


その返事がどれだけ嬉しかったか。
未来の俺は覚えているだろうか…。