「……よし。それで全てだな」

ふぅ、とウィリアムは息をついた。

暗号が書かれた紙をチラリと見た。

が、いい案は浮かんできそうにない。

マリアも悩ましげな顔をしている。

「マリア、外に出てみるか。何か手がかりがあるかもしれない」

マリアはパッと顔を上げた。

「まーた何か期待してるな?残念だが……どんな車か冷静に考えてみろ」

「…この建物がそのまま車になったようなかんじね」

マリアはふくれっ面をしてみせた。

ウィリアムはマリアの頭をクシャッと撫でた。