…あたりまえだったはずの日常は
突然あっけなく、崩れさった。


どうしてその朝
めざまし時計がならなかったのか、とか

どうして前の日の夜
喧嘩をしてしまったのか、だとか

今さら考えたって意味のない後悔を
俺は、どれだけしただろうか。


あの日の美希の手には
自分のバッグと、俺への誕生日プレゼント。

その中には、時計と一緒に“ごめんね”と
一言だけ書かれたメーセージカードが入っていた。