「…私、なんか余計な事言っちゃったかな?」


「………」

予想していなかったその出来事に、私はしばらく何も言えず

美希は気まずそうに、私達の顔を交互に見比べた。




「‥いや‥あの‥

‥はじめ‥まして」

そんな中、沈黙を破ったのはヒロだった。


「‥ どうも…片瀬 宏幸です…」


「‥あ、こちらこそ
はじめまして。美希です。」



「‥よろしく。」

ヒロは、弱々しく微笑んだ。



なんだろう…これは…

これと同じ様な光景を、私は前にも見た事がある…

でも、あの時とは違う…


どうして…?

こんなはずじゃない。



「…咲希

ごめん俺‥もう行くから‥」

目の前の状況を受け入れられずに私が戸惑っていると

ヒロはそう言って、病室を出ていってしまった。