「……」




「ヒロ…」 





「‥‥‥‥」



「‥ヒロっ」 



「えっ?‥あ…」

私の声に、はっとしたようにヒロが振り返る。



「いたい‥」



「‥ごめん」

彼女の姿が見えなくなっても
ヒロはしばらく、私の手を引き歩き続けた。
    
  

「私こそ、ごめん」


「‥なんで、咲希が謝るんだよ‥

悪いのは俺だろ」




下を向くヒロの顔は髪にかくれて
 
どんな表情をしているのか、見えない。