焼きそばパンを受け取ると、遊佐君はまたクスッと笑った。

「わ、笑いすぎかと!」

「いやっ。えーと、同じクラスの鈴木サン、だよな? 下の名前、なんだっけ」

「ま、お」

「まお?」

「そう、まお。あ、犬の名前はオマちゃんです」

「ぶぶぶっ」

そ、そんなにおかしいかな……。

そりゃ、みんなからネーミングセンスないって言われるけど……。

「ははっ、鈴木っておもしれーのなっ」

「それは褒められてるのでしょうか……」

「んー微妙?」

「遊佐君は正直な方なんですね……」

「ははっ。俺遊佐竜二。って、知ってたっけ? じゃーな、鈴木」

そうニッと笑った遊佐くんに、あたしの心臓は大きく跳ね上がって。

その日から、自然と遊佐君を目で追うようになっていた。