高校三年生になって、まだ初めの5月頃。
たまたまお弁当を家に忘れたあたしは、学校の購買でお昼を買いに。
ただ、あたしの学校は購買は毎日が戦争並みに込んでいて。
パン1つ買うのに一苦労だ。
あたしの、狙いは焼きそばパンだ。
四時間目の授業が終わってから、ダッシュで購買に行っても、すでにもう人が溢れていて。
そんな中、あたしは頑張って割り込んでいって、精一杯手を伸ばすけど、全然届かなくて。
や、焼きそばパン……!
もともとあまり身長が高くないあたしは上からパンを取る事もできず、困っていると、後ろから手が伸びてきて、あたしが取ろうとしていたパンをスルリと取っていった。
振り返れば、あたしのクラスの委員長、遊佐竜二くん。
「これ」
「そ、それあたしが取ろうと……ふえっ」
「え」
や、や、焼きそばパンが……。
あれラス1だったのに……。
ショックであたしが涙目になっていると、遊佐君は「ぶっ」吹き出した。