……なんていう、あたしの思いつきが事の始まり。

制限時間、卒業パーティまではあと1時間くらいあるから、時間は大丈夫なんだけど。

あたしの腕の力はもう限界が近づいてきていて。

「んーっ、とりゃぁ!」

精一杯投げるけど、もうリングにかすりもしない。

「はい、98本目ー」

「り、律儀に数えなくていい!」

「なあ、帰ろうぜ? お互い告白する相手ももう帰ってんだろ」

か、帰ってないんだけどな……。

なんて言えないし。

「うっさい! あたしが勝つからいいの!!」

「はあ……」

う、さっきからずっと、ため息つかれてる……!

……でも、絶対知りたいし。

あたしは、もう一度精一杯シュートを打つ。

すると、さっきとは違い、リングに当たってあたしの方に跳ね返ってきた。