「あ、あ、あ、」
「鯉かお前は」
「ち、ちぎゃう!」
あ、違うって言おうと思ったのに……。
「ほんと空気読めねーのな、お前……」
「ゆ、許してくださると光栄です」
「なんだそれ。……ってか、それより、返事聞きたいんですけど」
へ、返事?
あたしがハテナマークを浮かべてると、ほんとに呆れたようにあたしをみる遊佐。
「……アホだろ」
「あ! 理解しましたでござる!」
「そーですか。じゃあ、お願いします」
「……さ、察してください」
「言うと思った。……もっかい、していい? キス」
「……うん」
あたしがそう小さく呟くと、遊佐はそっと、唇を重ねた。
唇が離れて、お互い目が合う。遊佐の目が、あまりにも優しくて、あたしは思わず、言葉が零れた。
「好き、大好きっ」
あたしがそう笑うと、遊佐はあたしを強く抱きしめる。
耳元で、「それ、反則」なんて呟きながら。