そっと唇が離れれば、あたしの頭はまだまわってなくて、いまいち理解ができない。


「え、えと、あの……」

「理解力ねーな」

「え、え、えええええ?」

「ふっ、間抜け面」

こ、これは、えーと……つまり??

今、遊佐にキス、された……?

そう理解した時、あたしの顔はボンッと音が鳴ったかのように、まっ赤に。

そんなあたしを見て、遊佐は「ふはっ」と笑った。

「わ、笑わないでよ……」

「いやっ、可愛いなーと思って」

「う、嘘だ!」


「なんでだよっ。……好きな女を可愛いって思わないわけないだろ?」


あたしの頬をそっと撫でながら言う遊佐の顔は少し頬は赤くて。

でも、溶けるような優しい笑顔で。

そんな表情に、あたしの胸がドキンと跳ね上がる。