「却下」
「ええええ」
「……却下して欲しいんなら、こっちこい」
迷う事なくあたしは遊佐の目の前に座った。
「これで却下?」
「まさか」
で、ですよねー。
遊佐が一度決めたことを、こうも簡単に取り消しにするとは思えないし。
ははは、とあたしは苦笑い。
「マオ」
「え?」
いきなり名前を呼ばれたかと思えば、腕を強くグッと引っ張られた。
気づけば、あたしの体は遊佐の腕の中で。
気づけば、あたしの唇は、遊佐に塞がれていた。
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