「…あれ?」 「どうしたの?」 美緒が聞いてくる。 「いやぁ…。」 この車、どっかで見たことある。 ほんのり薄暗い中でも、ツヤツヤの黒いボディがよく映えてて。 ……。 「あ、思い出した!」 と、同時に、車の運転席と助手席に誰が乗っているのか見えた。 「ねぇ、瑠璃。あの車、もしかして…。」 「そうだよ。遥斗先生と麗子先生だ。」