そう言ってにっこり微笑んだ花鈴の笑顔に涼哉がやられた。





そんな事など全く分かってない花鈴は固まってしまった涼哉を気にしていた。





「……アレ⁇五十嵐くん⁇」




「……」




「「………(無自覚)」」




「かりんちゃん、おかし‼︎」




そんな沈黙を壊したのは葉であった。





「あ、そうだ。紅葉さんからお菓子あったんだ」




「おかし、おかし‼︎」




目をキラキラさせる葉をなだめ、渡す。





「はい、どうぞ。あんまり食べすぎちゃ駄目よ⁇」




そう言えば、葉は考え込んでそして次の瞬間。





ーーポンッ!!





「「………は⁇」」




茉莉花と五十嵐くんが呆気にとられた声を出す。





そう、男の子がいた所には狸の様な可愛らしい姿の獣がいるのだ。





「葉も考えたな」





郁斗はクスリと笑ってそう言った。





「え⁉︎この子葉なの⁉︎」




「はあ⁉︎さっきまで、人間だったじゃねぇか‼︎」