「花鈴、まだ買うのか〜⁇」




涼哉は私の様子に気付いてないみたいで、話を続けるように声を掛けてきて。





「…………」




「花鈴ちゃん〜⁇聞いてんの⁇」




私が反応しない事に疑問を持った涼哉が私の事を覗き込んできて。





「…………え、あ、ううん‼︎もう、これで全部だよ‼︎」




慌てて答えると。





「…………ったく、人多いんだからあんま余所見してんなよ⁇」




そう言って涼哉は私を連れて人混みの中から脱出する。





妖気も視線も何者からのものなのか突き止められず。





多分、もう此処には居ないと直感的に感じた私は切り替えて。





残りの文化祭を楽しむ事にした。





「どっかで食べるっつても、時間的にそろそろ後夜祭の時間か⁇」




「………あ、ホントだ。後夜祭始まるね」




文化祭の最終日である今日は後夜祭があるんです。





なんか良くあるジンクスみたいなのが後夜祭にあったような気がするけど。





なんだったけなぁ……忘れちゃった。





「後夜祭って何やるんだっけ」




「確か、中庭でミスコンの結果発表。校庭で打ち上げ花火、特設ステージで有志がなんかするんだろ」