じゃんけんに勝った私は蜜柑とあんずを選んでお金を払おうとするけど。





「お金なら隣のお兄さんに貰ったよ」




「え、涼哉払ってくれたの⁉︎」




「払ったよ。ほら、行くぞ⁇」




おじさんに会釈して、涼哉と出店を後にする。





「涼哉、後で返すね⁇」




蜜柑の方から食べながら涼哉に言うと。





「いや、別に良いぜ⁇そんなに高くないんだし」




「え、でも悪いよ」




いくら返すと言っても涼哉は笑って流すだけ。





「……あんず飴一口食べる⁇」




「え、なに。くれんの⁇」




「お金払ってくれたお礼‼︎一口どうぞ⁇」




私はまだ食べてないあんず飴を一口あげる事にした。





全部あげるって言っても貰ってくれなさそうだし。





なんて心の中で言い訳して涼哉にあんず飴を差し出す。





「じゃ、コレで妥協してやるよ」




上から目線なのがちょっとイラってするけど。





「どうぞ⁇」