けして広いとは言えないアパートのキッチンで朝ごはんを作る。
「今日も早いな、桜」
私を男手一つで育ててくれた父が出てくる。

「おはようお父さん。はい、お弁当」
「おう」
私は水無月桜。高校2年生。
夏休みが終わり一週間。
新学期の早起きにもなれてきた頃。
ーーーぴんぽーん

「はーい」
お父さんが出てくれた。
「桜ー!真くんだぞ?」
「今いく!お父さんは朝ごはん作ったから食べてね!!!」
私は慌てて外に出た。