ガラガラガラ・・・・

図書室は静まり返っていた。

だれもいないような錯覚に陥るくらいに。


図書室なんて入ったの何年ぶり?

少なくとも、高校になってからははじめて。


ぼちたに、どこにいんのかな~?

俺はきょろきょろと図書室の中の方へ入っていく。

すると、

カタン

と音がした。

・・・・こっちか?

おくの小説の棚の前に、黒の長い髪をした女子がいた。

いたいた・・・・。

見たところ、今、ここには俺たち二人だけのようだ。


「ぼちたにさん、み~っけ!」

俺の声にビクッと体を反応させる。

おもしれえ・・・。

おそるおそる振り返るぼちたに。

「今日も、一人~?」

「・・・。」

なにも言わず、ぎゅっと本を胸のところで抱え込む。

そのまま近くの大きな机に並んだイスに腰掛けた。