放課後。
「ええ~章吾~~。行こうよ~。」
やけに語尾をのばしながら俺の腕に胸を押し付けてくるのは
俺がカラオケに行くのを断る原因をつくったあの女。
「章吾いないとつまんない~!」
「うっせえな。じゃあ、おまえも行かなきゃいいだろ?」
「え?それって、行かずに二人でデートしよってこと?」
はあ?
どうしたら、そんな都合のいい解釈できるんだよ。
「一人でどっか行け。」
「章吾冷たい~。由美(ゆみ)、章吾といたい~。」
「由美ちゃん、俺は?」
玲二が俺を助けてくれようとしたのか、由美に言う。
「玲二くん、かっこいいけど、手早そ~。」
「あはは。それは否定できないかもっ」
「やっぱり~。由美、好きでもない人とシたくないし!
でも、章吾とならシてもいいよ?」
とか言いながら、今度は抱きついてくる。
・・・・うっぜえ。
「暑苦しいんだよ、やめろ。
だいたい、おまえとヤるほど女に困ってねえよ!」
俺はそう言い捨て、鞄を持って教室をでた。
「ひどい!!!」
とかなんとかって声が聞こえたけど、余裕でスルー。
つか、あっちから言ってきて断られたら『ひどい』とか。
自分勝手にも程があるだろ。