「1、」

「し、章吾くん!!」

「0・・・・んン・・・・。」

俺は、大好きな声で自分の名前が呼ばれたのを耳にしながら、素早くその唇を奪った。


「・・・なんで?」

キスのあと、不満そうに俺を見上げる瞳。

「わたし、ちゃんと呼びました。」

「聞こえなかったね~。」

「嘘だ!」

「もっかい。」

「もう呼びません。」

「じゃあ、キス。」

「呼びます!呼びます!!」

そんなに俺とキスしたくないのかよ・・・

俺はいつだって愛樹とキスしたいし、愛樹に触れたいのに。

まあ、いいけど。

「じゃあ、呼んで。」

「・・・章吾、くん。」

「くん、はいらないから。」

「それはハードルが高すぎるよ・・・。」

そうか?

なら、まあ、今はくん付けで許してやるか。