俺は愛樹に近づく。

と同時に愛樹後ろへ下がる。

なに逃げてんだよ・・・。

でも、愛樹は扉を閉めてそのままそこに立ってたわけで、すぐに扉と俺との間に挟まれた。


「もう、逃げられない・・・。」

壁ドンならぬ扉ドンをかましてやった。


「あ、あの・・・!!」

下を向いて、さらに手で顔を隠そうとする。

けど、させないから。


パッとその手を二つとも左手でつかんでしまう。

扉についていた右手を愛樹の顎に沿わせ、上を向かせた。


眼鏡、邪魔だな。

顎に沿わせていた右手で眼鏡を取り払い、前髪をかきわけ、じっと愛樹を見る。


「藍田、くん・・・?」

「顔赤いよ・・・?」