「好きではなかったんですか?」

「ああ。」

「なのに、そういうこと、してたんですか?」

「そうだよ。」

愛樹に軽蔑されるのは覚悟の上。

「俺は子供だったんだ。

好きじゃなくても、そういうことできた。

本当に、菜月にはなんの感情もなかった。」

「なら、どうして腕組んでたんですか?2回も。」

「え、2回?」

「駅でと、昨日・・・。」

駅・・・・

え、じゃあアレを見てたのは、理奈だけじゃなかったのか?

そうか・・・考えてみればそうだよな。

理奈と愛樹は一緒に帰ってた。

理奈が見たなら、愛樹だって見てるんだ。

ちょっと考えればわかるのに、俺ってバカだ・・・。