・・・・ガチャ


え・・・

静かに、それは開いた。


「愛樹・・・。」

中から、愛樹の顔が見えたとき

俺はなぜか泣きそうになった。

別に悲しかったんじゃない。どっちかというと、これはたぶん、うれし涙。

愛樹に会えた・・・やっと。

昨日会ったとこだけど、なんだか長い間会えなかったみたいだ。

ずっと会いたかったけど、会えなかったみたいだ。

「藍田くん・・・。」

俺を見上げる茶色い瞳。

最初は、そういえばこの瞳だった。

なぜか印象に残ったこの瞳。

いつもは前髪と眼鏡で見えづらかったせいで、気にしていなかった綺麗な瞳。

知ってからは、前と一緒で見えづらいとしても、俺はいつもその瞳を見て、吸い込まれそうになってる。

大好きな、愛樹の茶色い瞳。