コンコン・・・

静かに扉をノックする。


「ごめん、お兄ちゃん。

まだ私、体調が悪いの。」

愛樹の声だ・・・。

昨日ぶりなのに、とても久々な感じがした。

和樹だとおもってるのか。そりゃそうだよな。俺だなんて、考えるはずもない。

最初はなんて言おう?

考えても、良い答えなんて見つからない。

「愛樹・・・。」

だから、名前を呼んだ。

俺が呼びたかった。

いつだって、俺だけが、その名前を呼びたいんだ。


部屋からはなにも聞こえない。

俺だってわかったのかな?

声だけで、わかってくれた?それなら、うれしいよ。