和樹は、少ししてから口を開いた。

「最近、愛樹がよく笑うようになったから。」

「え?」

「あんなに楽しそうに、学校のことを話す愛樹は初めてだ。

まあ、大かたお前の話なことはムカつくけど。

でも、たぶん愛樹はお前のおかげで学校が楽しいんだろう。加えて、よく笑うようになったんだと思う。」

愛樹が・・・俺のことを。

家で俺のことを話してたのか?

やば・・・にやける。

そんな話、にやけが止まらないじゃん。

「気持ちわりい顔すんなよ。

俺としてはちっともおもしろくないんだからな?」

ケッと和樹は視線を逸らす。

確かに、兄貴にとってはおもしろくなくいだろう。

「すいません、俺にとってはおもしろいんで。」

おもしろいっていうか・・・ただ、うれしい。

愛樹に、俺が影響を与えている。しかも、いい方向に。

愛樹の笑顔の理由を、俺が作れてたんだ・・・。