「全然!俺、器用だから!」

得意げに笑顔を向けてくる。

「変なとこでな。」

女扱いが器用でも、ちっともうらやましくねーし。

「うるせー。

てか、どうしようかなー。人数たりね~」

そこまで困ってなさそうな玲二から何気なしに視線を逸らすと

一人の女子に目がいった。


今日も、ぼっちだし。

マジ笑える。

まだ1年なのに、休み時間まで勉強してんのかよ。

てか、あんな分厚いめがねに、

しかも、あんな長い前髪でちゃんと教科書見えてんの?


「なあ、玲二。」

「なに?」

「人数に困ってんならさ~、ぼちたに誘えば?」

「はあ?おまえ、ふざけんなよ~」

ぼちたにの名前を出した途端、鼻で笑う。

「あんな奴連れてったら、俺の株がた落ちだから。

彼女に嫌われちゃったらどうすんの?」

「ははっおまえ最悪~」

「はじめたのは、章吾だろ!」

とか言いながら笑いあう。

ぼちたにの名前だすと、ある意味その場が明るくなる。

だって、誰一人反論しない。

ぼちたには、みんなが馬鹿にする存在。

ああいう奴がクラスに一人いたら、本当楽。

話題がつきたら、名前だせばいいんだから。