「藍田くんは、なんの勉強?」
「え、あ~数学?とか・・・。」
白紙からあんまり進んでいないノートを手で隠す。
「俺、勉強苦手っつうか、嫌いだし、なんかだめっぽい。」
「勉強は、わからないけど、
藍田くんは頭いいと思う。」
「え?どこが?」
俺は、自慢じゃないけど本当に馬鹿だ。
この高校に入れたのも、たぶんまぐれ。
「藍田くんのおかげで、1組は仲がよくなった。
藍田くんは無意識かもしれないけど、みんなをまとめて明るくしてるよ。」
「いや、そんなことないし。」
「気づいてないだけだよ。
藍田くんがいるから、みんな楽しいんだと思う。すごいね。」
ぼちたには、ちゃんとクラスのこと見てたんだ。
ずっと勉強ばっかりしてると思ってた。
まだ二日目だ。
ぼちたにと、まともに会話するようになって二日目。
でも、印象はかなり変わった。
相変わらず口数は少ないし、見た目も、もさいけど。
暗いんじゃなくて、おとなしいって方が正しいのかな。
それに笑ったら、全然普通じゃん。