杏が紅姫になってくれてから煌龍の奴らは変わった。


それはもちろん俺も。


俺は杏に惚れてる。


だからあの日、昂輝のが紅姫を提案してきたのを断らなかった。


そうすれば少しでも杏と居れるから。


でも、俺は最近だけど気づいたことがあったんだ。


杏の瞳が暗い闇から逃げ出せてないこと、時々何かを思い出してること、そして何かに怯えてること。


こいつが背負ってるもんを一緒に背負ってやりたい。


そうは思うけど、こいつの答えはきっとNOだろう。


そう分かっているだけに何も言えなかった。